任意保険の特約の種類,及び自動車保険へのリンク集

第0 目次

第1 平成10年の自動車保険自由化の前から販売されていた特約
第2 平成10年の自動車保険自由化の後から発売されるようになった特約
第3 それぞれの自動車保険会社の自動車保険へのリンク集
第4 保険会社の再編成図

* 日本損害保険協会HPの「会員会社等へのリンク」を見れば,同協会の会員会社及びその変遷が分かります。

第1 平成10年の自動車保険自由化の前から販売されていた特約

平成10年の自動車保険自由化の前から販売されていた特約は,以下のとおりです。
 
1 運転者の条件に関する特約
   例えば,①運転者家族限定特約,②運転者本人・配偶者限定特約,③運転者の年齢条件に関する特約(21歳,26歳,30歳,又は35歳以上限定担保)等があります。
   これらの特約がある場合,任意保険の適用範囲が限定されることとなります。
 
2 他車運転危険担保特約
   他人の自動車を一時借用して運転しているものの,ドライバー保険に入るほどではない場合に対処するため,借用した他人の自動車を,これを運転する車の加入している任意保険の被保険自動車とみなし,この契約に基づく保険保護を,借用した自動車に提供することで,借用運転者を保護しようとする特約です。
   保険会社は1台分の保険料しか受け取っていないにもかかわらず,複数の自動車が引き起こした事故を担保する義務を負っている点で,本特約は,一車両一保険という保険原理に抵触する面を有します。
   そこで,本特約による担保範囲が無限定に拡張されることのないよう,「常時使用する自動車」は除かれますし,他人の自動車は自家用自動車である必要があるなど,適用要件が細かく規定されています。
 
3 車両危険限定担保特約
   通常の車両保険がオールリスク担保であるのに対し,通常の走行危険(自動車の運転に伴う衝突,接触,転覆又は墜落危険)を原則として不担保とし,担保範囲を主として走行危険以外の危険,つまり,ドライバー自身の運転技術と無関係な外来の事故に限定する特約であり,担保される危険の範囲が狭い分,保険料も安くなっています。
 
4 自動車相互間衝突危険担保特約
   事故発生時に相手方の自動車の登録番号及び運転者又は所有者の住所氏名が確認された場合にだけ担保される車両保険の特約であり,担保される危険の範囲が狭い分,保険料も安くなっています。

第2 平成10年の自動車保険自由化の後から発売されるようになった特約

平成10年の自動車保険自由化の後から発売されるようになった特約は以下のとおりです。
 
1 弁護士費用等担保特約(=弁護士費用特約)
(1)   被保険者が自動車事故の加害者となった場合,任意保険には示談代行制度があるため,被保険者は通常,自ら弁護士を選任する必要はありません。
   これに対して,被保険者が自動車事故の被害者となった場合(いわゆる「もらい事故」の場合),示談代行制度を利用できないため,自ら弁護士を選任する必要があります。
   そこで,本特約は,被保険者が自動車事故により損害を被ることによって,賠償義務者に対する被害事故にかかわる法律上の損害賠償請求を行う場合,法律相談料,弁護士報酬,訴訟費用等を支払うこととしています。
(2) 詳細につき,「弁護士費用特約」を参照して下さい。
 
2 日常生活賠償責任担保特約(=個人賠償責任危険担保特約)
   本特約は,日常生活又は居住する住宅の所有・使用・管理に起因する偶然な事故により,他人を死傷させた場合,又は他人の財物に損害を与えた場合など,法律上の損害賠償責任を負担した場合に保険金を支払うというものです。
   自転車を運転中に他人を負傷させてしまった場合,本特約が利用できることとなります。
   ただし,記名被保険者が個人であることが条件です。
 
3 交通事故危険担保特約
   本特約は,自動車事故以外の交通事故についても,人身傷害補償保険の保険金を支払うという特約です。つまり,被保険者が自動車事故以外の交通事故の被害者になったときのための特約です。
   自動車事故以外の交通事故としては,電車,自転車,航空機,船舶,エレベーター,エスカレーター等における事故があります。
   ただし,記名被保険者が個人であることが条件です。
 
4 車両新価保険特約
   本特約は,保険期間の満期日が自動車の初度登録(軽自動車の場合は初度検査)時から37ヶ月以内の場合で,車が全損になった場合,又は修理費が新車価額相当額の50%以上の額となった場合等に,新車価額相当額を限度とする代替自動車取得金額及び再取得時諸費用を支払うというものです。
 
5 身の回り品補償特約(=財物損害担保特約)
   本特約は,衝突,接触,墜落,転覆,物の飛来,物の落下,火災,爆発,台風,洪水,高潮その他偶然な事故及び盗難によって被保険自動車の車室内・トランク内に収容等された日常生活の用に供するために個人が所有する動産に生じた損害に対し,保険金額を限度に免責金額を差し引いた保険金を支払うというものです。

第3 それぞれの自動車保険会社の自動車保険へのリンク集

1 3メガ損保
(1) 東京海上ホールディングス
① 東京海上日動の,トータルアシスト自動車保険
② 日新火災海上の,ユーサイド(新総合自動車保険)

(2) MS&ADインシュアランスグループ
① 三井住友海上の,GK クルマの保険(家庭用自動車総合保険)
② あいおいニッセイ同和の,クルマの保険

(3) 損保ジャパン日本興亜(平成26年9月1日,合併により成立)
   The クルマの保険(個人用自動車保険)
※ 合併による成立前は,持株会社としてのNKSJホールディングスの傘下に,損保ジャパン及び日本興亜損保がありました。

2 外資系損保
(1) AIGジャパン・ホールディングス
① 富士火災海上の,くるまの保険
② AIU保険の,ファミリー向け自動車保険
 
(2) チューリッヒ保険:スーパー自動車保険

(3) アクサダイレクト損保:自動車保険

3 ダイレクト系損保(ネット損保)
(1) ソニー損保:自動車保険
※ ソニー損保は,平成28年12月1日以降に満期日を迎えるアメリカンホームの自動車保険の引受会社となっています。
→ 苦情窓口はソニー損保HPの「苦情対応に関する取組方針」に書いてあります。

(2) 三井ダイレクト損保:自動車保険
→ 苦情窓口は三井ダイレクト損保HPの「お客さまからの信頼にお応えするために」に書いてありますが,電話番号しか分かりません。

(3) SBI損保:自動車保険

(4) イーデザイン損保:自動車保険

(5) セゾン自動車火災:おとなの自動車保険

第4 保険会社の再編成図等

1 一般社団法人日本損害保険代理業協会(日本代協)HPにおいて,「保険会社の再編成図」として掲載されています。
 
2 明治時代からの統合・合併の経緯については,ほけんのねっとHPの「業界再編地図」が参考になります。

3 大手損保の「MS&AD・東京海上HD・NKSJ」の3大グループ体制については,はじめて自動車保険HP「自動車保険のシェア:損害保険業界の三大グループのシェアと売り上げ」が参考になります。

4 ダイレクト系損保については,はじめて自動車保険HP「ダイレクト系損保の自動車保険正味収入保険料の推移」が参考になります。
1(1) 被害者側の交通事故(検察審査会を含む。)の初回の面談相談は無料であり,債務整理,相続,情報公開請求その他の面談相談は30分3000円(税込み)ですし,交通事故については,無料の電話相談もやっています(事件受任の可能性があるものに限ります。)
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。

2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。