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検察審査会の事件の処理状況
第0 目次
第2 原不起訴裁定理由別に見た検察審査会の議決結果
第3 起訴相当・不起訴不当事件の検察官の事後措置
第4 検察庁が自発的に再捜査する場合があること
第5 検察審査会の議決後起訴された人員の第一審裁判結果
*1 「加害者の不起訴処分を争う検察審査会」も参照してください。
*2 検察審査員等選定手続に関する事務処理マニュアルを掲載しています。
*3 裁判所HPに「検察審査会」及び「検察審査会制度Q&A」が,検察庁HPに「検察審査会」が載っています。
*4 東京地裁の定例裁判官会議検察審査会関係資料(平成30年12月期)を掲載しています。
第1 検察審査会の事件の処理状況
1 検察審査会の事件の処理状況(昭和24年以降) を掲載しています。
→ 昭和24年以降の,毎年の事件数を記載しています。
2 昭和24年2月1日の活動開始以来,平成27年までの総計は以下のとおりです。
① 申立てによる新受件数は15万5556件であり,職権による新受件数は1万3671件であり,合計16万9227件です。
② 起訴相当は2406件であり,不起訴不当は1万5787件であり,不起訴相当は9万7502件であり,その他(審査打切り,申立却下,移送)は5万2696件であり,合計16万8391件です。
③ 第二段階の審査として,開始件数が24件であり,既済件数は24件(うち,起訴議決が14件,起訴議決に至らずが10件)です。
④ 建議・勧告の件数は545件です。
3(1) 平成26年の場合,既済事件のうち,0.4%が起訴相当であり,5.6%が不起訴不当であり,82.7%が不起訴相当であり,11.2%がその他(審査打ち切り,申立て却下,移送)です。
(2) 平成27年の場合,既済事件のうち, 0.2%が起訴相当であり,5.4%が不起訴不当であり,83.0%が不起訴相当であり,11.4%がその他(審査打ち切り,申立て却下,移送)です。
(3) 平成28年の場合,既済事件のうち, 0.1%が起訴相当であり,4.3%が不起訴不当であり,86.3%が不起訴相当であり,9.2%がその他(審査打ち切り,申立て却下,移送)です。
(4) 平成29年の場合,既済事件のうち,0.0%(1件)が起訴相当であり,2.9%が不起訴不当であり,83.3%が不起訴相当であり,13.7%がその他(審理打ち切り,申立て却下,移送)です。
4 平成29年10月26日付の開示文書を見る限り,検察審査会の新受事件数のうち,職権によるものの内訳が分かる文書は存在しないみたいです。
5 平成29年10月26日付の司法行政文書不開示通知書によれば,検察審査会の既済事件数のうち,審査打ち切り,申立て却下及び移送のそれぞれの件数が分かる文書(昭和24年から平成24年までの毎年の分)は,平成29年9月26日時点で保存期間満了により廃棄済みです。
第2 原不起訴裁定理由別に見た検察審査会の議決結果
1 昭和46年以降の,「原不起訴裁定理由別に見た検察審査会の議決結果」 を掲載しています。
2 原不起訴裁定理由が起訴猶予である場合,起訴相当議決の割合は,2.5%(平成18年)→0.8%(平成19年)→1.9%(平成20年)→1.1%(平成21年)→0.5%(平成22年)→1.2%(平成23年)→1.4%(平成24年)→0%(平成25年)→0.3%(平成26年)→0.3%(平成27年)→0.4%(平成28年)→0%(平成29年)と推移しています。
原不起訴裁定理由が起訴猶予である場合,不起訴不当議決の割合は,6.5%(平成18年)→8.0%(平成19年)→11.7%(平成20年)→6.9%(平成21年)→14.1%(平成22年)→4.4%(平成23年)→11.8%(平成24年)→5.6%(平成25年)→7.8%(平成26年)→4.6%(平成27年)→5.7%(平成28年)→2.2%(平成29年)と推移しています。
3 原不起訴裁定理由が嫌疑不十分であるである場合,起訴相当議決の割合は,0.4%(平成18年)→0.7%(平成19年)→0.7%(平成20年)→0.9%(平成21年)→0.8%(平成22年)→0.4%(平成23年)→0.3%(平成24年)→0.1%(平成25年)→1.1%(平成26年)→0.3%(平成27年)→0.2%(平成28年)→0.1%(平成29年)と推移しています。
原不起訴裁定理由が嫌疑不十分である場合,不起訴不当議決の割合は,8.1%(平成18年)→9.1%(平成19年)→8.9%(平成20年)→10.7%(平成21年)→9.9%(平成22年)→8.5%(平成23年)→10.7%(平成24年)→7.1%(平成25年)→10.1%(平成26年)→11.1%(平成27年)→9.3%(平成28年)→7.8%(平成29年)と推移しています。
第3 起訴相当・不起訴不当事件の検察官の事後措置
1 首相官邸HPにある「統計資料(一覧)」に,平成13年までの検察審査会のデータが載ってあります。
これによれば,起訴相当・不起訴不当事件のうち,起訴された事件の割合(=起訴率)は,平成9年が26.2%,平成10年が28.8%,平成11年が37.7%,平成12年が34.0%,平成13年が24.4%となっています。
2(1) 昭和24年以降の,「原不起訴裁定理由別に見た起訴相当・不起訴不当事件の検察官の事後措置」 を掲載しています。
(2) 不起訴処分の理由が「起訴猶予」の場合の起訴率は,43.2%(平成18年)→52.9%(平成19年)→34.6%(平成20年)→45.0%(平成21年)→26.2%(平成22年)→24.0%(平成23年)→43.5%(平成24年)→11.8%(平成25年)→28.0%(平成26年)→43.8%(平成27年)→21.4%(平成28年)→33.3%(平成29年)と推移しています。
(3) 不起訴処分の理由が「嫌疑不十分」の場合の起訴率は,31.6%(平成18年)→12.2%(平成19年)→17.7%(平成20年)→18.2%(平成21年)→13.0%(平成22年)→16.3%(平成23年)→13.6%(平成24年)→17.6%(平成25年)→9.1%(平成26年)→12.6%(平成27年)→20.4%(平成28年)→3.8%(平成29年)と推移しています。
第4 検察庁が自発的に再捜査する場合があること
1 交通事故の被害者が検察審査会に対する審査申立てをした場合,検察審査会が検察庁に対して記録の送付依頼をしますから,審査申立てがあったことが検察庁に伝わります。
その関係で,審査申立てをするぐらい交通事故の被害者の処罰感情が強いことが検察庁に伝わりますし,現実の交通事故の治療期間が,警察に提出した診断書に書いてある加療期間を大幅に超えている場合,なおさら不起訴とした判断の正当性が揺らぐことになります。
そのため,不起訴処分の理由が「起訴猶予」である場合,検察庁としては,検察審査会の議決を待たずに再捜査して加害者を起訴することが多いですが,この場合,検察審査会は,加害者が起訴された時点で審査を打ち切ることとなります。
よって,検察審査会の議決の「その他」の中には,検察庁が自発的に再捜査して加害者が起訴された結果,審査打ち切りとなった事例が相当数含まれています。
2 検察審査会の統計だけを見ると,審査申立てをした事件のほとんどが結果として起訴されていないように見えます。
しかし,不起訴処分の理由が「起訴猶予」である場合,審査申立てをした事件の相当部分について,加害者が刑事罰を受けていると思われます。
3 検察審査会の起訴相当議決又は不起訴不当議決があった場合,三長官報告が必要となる点で検察庁内における手続が大変になることもまた,検察庁が再捜査する理由になっていると思います。
4(1) 事件の処分結果(公判請求,略式命令請求,不起訴,家庭裁判所送致等)等を通知してもらいたい場合,担当する検察官・検察事務官又は被害者支援員に対し,通知希望の有無や通知を希望する事項を伝えれば,後日,通知を希望された事項について電話や書面の郵送等により知らせてもらえます(法務省HPの「被害者支援のための一般的制度」参照)。
(2) 制度の詳細については,「被害者等通知制度実施要領」を参照して下さい。
第5 検察審査会の議決後起訴された人員の第一審裁判結果
2 昭和24年から平成27年までの総数でいえば,終局人員が1490人であり,そのうち,有罪判決が1393人であり(93.5%),無罪判決が97人です(6.5%)。
2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。